寝ているときの歯ぎしり・食いしばりについて知っておきたいこと
「歯ぎしり」や「食いしばり」は、眠っている間に無意識に起こることが多く、朝起きたときにあごが疲れていたり、歯がしみたりする原因になります。長く続くと歯や歯ぐき、あごの関節に負担をかけることもあります。

目次
歯ぎしりの原因は「かみ合わせ」ではない?
昔は「歯ぎしりはかみ合わせの悪さが原因」と考えられていました。しかし近年の研究では、かみ合わせそのものは大きな原因ではないことが分かってきています。
代わりに、脳や自律神経といった「体の中枢の働き」が関係していると考えられるようになりました。ストレスや遺伝、ほかの病気との関係も指摘されています。
研究から分かってきたこと
世界中の研究を調べた結果、次のようなことが明らかになっています。
- 歯ぎしりの背景には「自律神経の働き」や「脳のリズム」が関わっている
- 遺伝的な要素や生活習慣、ほかの病気(睡眠時無呼吸症候群など)と関連することもある
- 歯ぎしりの原因を「歯のかみ合わせ」に求める考えは否定されている
つまり「歯ぎしり=歯並びが悪いから」という単純なものではなく、体の全体的な働きと関係しているのです。
実際の対策は?
歯ぎしりそのものを完全になくす方法は、まだ確立されていません。ですが、歯やあごを守るための対策は可能です。
- マウスピース(ナイトガード):睡眠中に歯を保護する
- 生活習慣の見直し:睡眠不足やストレスを減らす
- 医科との連携:睡眠障害や持病が疑われる場合は専門科での検査も
まとめ
歯ぎしりや食いしばりは「歯だけの問題」ではなく、体全体や心の状態とも深く関係しています。気になる症状がある方は、歯科でのチェックをおすすめします。マウスピースで歯を守ることはもちろん、必要に応じて生活習慣や睡眠の質を整えることも大切です。
歯ぎしりでお困りの方は遠慮なくご相談ください。
【参考文献】Sleep bruxism: The past, the present, and the future-evolution of a concept. J Am Dent Assoc. 2024 Apr;155(4):329-343. →https://jada.ada.org/article/S0002-8177(23)00759-6/abstract?utm_source=chatgpt.com